東京地方裁判所 昭和37年(行モ)16号 決定 1962年11月01日
申立人 孫福坤
被申立人 東京入国管理事務所主任審査官
主文
被申立人が申立人に対して昭和三七年六月一八日付東第九四号をもつてなした外国人退去強制令書の執行を停止する。
理由
本件申立理由の要旨は別紙執行停止決定申請書のとおりである。
当裁判所は申立人の申立を理由ありと認めて、主文のとおり決定する。
(裁判官 白石健三 浜秀和 町田顕)
(別紙)
執行停止決定申請書
申請の趣旨
一、被申請人が昭和三七年六月一八日付東第九四号もつて、申請人に対して発した外国人退去強制令書に基づく執行は、本案判決が確定するまでこれを停止する。
との御裁判を求めます。
申請の理由
一、申請人は、外国人(韓国人)であるが、外国人登録令第一六条第一項第一号に該当する不法入国者であるとの理由により、被申請人から昭和三七年六月一八日付東第九四号をもつて外国人退去強制令書を発付され、現在大村入国者収容所に収容されているのである。
二、しかして、申請人は、昭和三七年八月二八日東京地方裁判所に対し、右行政処分の取消の訴を提起したが、若し大村入国者収容所から本国に送還されてしまえば、償うことのできない損害が生じることが明らかであり、又何時でも本国に送還できる状況にあるので、執行の停止を求める緊急の必要があるのである。
よつて、申請の趣旨記載のような御裁判を求めるため本申請に及んだ次第である。